2003年1〜2月長岡の実験結果報告
(昨年1月〜2月の寒い時期に)もう一人の実験参加者と話し合ってもらった実験です。

 2003年1〜2月に実施した実験に参加してくれた皆さん,ご協力本当にありがとうございました.おかげでさまで,対話時のスタイルが話し方(「間」など)に及ぼす影響に関しての面白いデータを取ることができました.この研究結果は,去る03年6月の電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション研究会@大阪、03年9月の日本心理学会@東京ならびに03年10月のヒューマンインタフェース学会@東京にて発表しました.
 詳しくは,資料1、および資料2、または資料1のポスター資料2のポスターにあります.



1. 目的(以下が本実験で調べたいことでした)

 二人で話しているときに、話し方(「間」のとり方や声の高さ)が互いに似てくることを、同調傾向という。

話すときの相手への態度・構えによって、同調傾向の生じ方が違うのではないだろうか?

相手が自分の話を聞いてくれてないなぁと感じるのは、もしかすると、相手の話し方が自分のとずいぶん異なっているから、かもしれません。


2. 方法

実験参加者 大阪大学学部生24名(男12名、女12名)みなさん本当にありがとう!

条件 次の2条件を設けた。

●意見固持条件:「相手と意見が違うので、自分の意見を相手に述べてください。」と教示した。

●聞き入れ条件:「相手と意見が違うので、二人で妥協点を見いたしてください」と教示した。

(この2つのうちどちらか1つの条件に参加してもらいました)

話題 「女性専用車両をすべての電車に導入すべきかどうか」「原子力発電所の是非」など各ペアに1つずつ。

手続き 実験参加者は意見が異なる対話相手と、非対面状況下でマイクとヘッドフォンを用いて、15分間対話を行った。意見固持条件の実験参加者は、相手に自分の意見を述べながら対話した。聞き入れ条件の実験参加者は、相手と妥協点を見出すため対話をした。

3. 結果および考察(詳しくは,上記資料で見てください)

 交替潜時(話者交替の時間間隔)・発話長・相槌周期(相手の発話1分当たりに打った相槌の回数)を測定した(騒音計やPCをつかって測定します).

ここでは、交替潜時の結果を紹介する(他は、資料2を参照。)

聞き入れ条件では、時間経過とともに、徐々に同じペアの2者の交替潜時が類似する傾向.

意見固持条件では時間経過にかかわらず、2者の交替潜時が類似しない。

 (本研究から言えること:話すときの相手に対する態度によって話し方は変わります。あなたが相手の話をしっかり受け止めて聞いて会話しているときには、あなたの話し方は、自然と相手の話し方に似てくるでしょう。)


報告:長岡千賀 日本学術振興会・京都大学大学院教育学研究科(04年4月から)

更に興味のある方はこちらまで nagaoka@www.educ.kyoto-u.ac.jp


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