去る2001年11月7日、日本心理学会@つくばセンターにおいて
ワークショップ「スピーチにおける感性情報-2-」を開催いたしました。
お忙しい中お越しくださいまして、ありがとうございました。
スピーチにおける感性情報 -2-
企画者 |
学振特別研究員・筑波大学 |
芝崎朱美 |
司会 |
学振特別研究員・筑波大学 |
芝崎朱美 |
話題提供者 |
大阪大学 |
小森政嗣 |
話題提供者 |
学振特別研究員・筑波大学 |
芝崎朱美 |
話題提供者 |
大学入試センター |
内田照久 |
話題提供者 |
オムロン株式会社 |
大本浩司 |
指定討論者 |
大阪大学 |
中村敏枝 |
要旨
昨年度の心理学会では,発話者の意図や感情を汲み取ったり,その印象形成を行ったりする上で重要な感性情報について,間(ま)や高さを手がかりにした研究を報告した.また合成音声のイメージについて配慮した製品開発の現況も紹介され,応用的な発展をふまえた活発な意見交換が行われた.本年度は,発話速度・間(ま)・高さなどの物理的特性と心理的イメージや話し手の性格印象との関係について,実験的に検討した結果をふまえ,これらの特性をどのように操作すれば,人間の認知特性に適した,より快適な音声情報を提供できるか議論したい.
(1)話速の研究に対するポーズ(間)の観点からの提案(小森)
1 ポーズがスピーチの印象に及ぼす影響
2 発話速度がポーズに及ぼす影響
3 技術開発研究への提言
発表OHP(HTML形式)
(2)音声のピッチ知覚特性における年齢の影響(芝崎)
1. 音声の時間要因がピッチ知覚に与える影響
文頭部分の影響について、実験によって得られたデータを紹介
2. 若齢者と高齢者のピッチ知覚特性
被験者の年齢の影響は少ない
→ピッチのような印象形成の場合、内容理解に比較すると加齢による聴力低下の影響は少ない
3. 音声コミュニケーション技術へ応用する場合の問題点など
内容理解を促進するためには、発話速度コントロールが重要
印象形成能力に年齢の影響が少ない
→音質を下げることは音声聴取に不快感をもたらす可能性も考えられるため、注意が必要
発表OHP(HTML形式)
(3)音声の時間構造が話者のパーソナリティ印象および外国語の内容理解に与える影響 (内田)
1. 音声の時間構造の制御
—音声情報処理技術による発話速度の変換—
1.1 話速変換音声とは…
[PICOLA plus2]によるデモンストレーション
1.2 音声の発話速度と認知されるピッチ感の非独立性
2. 音声の発話速度と話者のパーソナリティ特性印象との関係
2.1 感性情報としての話者のパーソナリティ印象の情報
—性格特性5因子モデルからのアプローチ—
2.2 発話速度を1次元的に操作した際の
性格特性印象の独立した認知的評価とその変化の非線形性
2.3 音声の基本周波数・発話速度と話者のパーソナリティ特性印象との関係モデル
3. 英語リスニング・テストにおける音声の時間構造が内容の理解に及ぼす影響
3.1 音声の発話速度が英語リスニング・テスト成績に与える影響
3.2 発話速度と休止時間の操作とリスニング・テスト成績
発表OHP(PDF形式:lzh圧縮) (PDFファイル)
(4)電話音声による情報提供とその心理学的課題(大本)
1 オムロンにおける音声事業と技術
2 デモンストレーション
3 音声対話システムの開発に必要な3要素
・音声対話システムの開発に有効な専門領域を提案
4 人と機械の音声対話
・人と機械の音声対話の流れを説明
・人と機械の音声対話で発生する問題点を指摘
5 音声対話におけるユーザビリティ
・音声対話におけるユーザビリティの具体例を紹介
・オムロンにおけるVoice User Interface(VUI)の設計アプローチを紹介
6 音声対話システムの協創
7 心理学的課題
・オムロンの取り組み(スタイルガイド)と解決したい心理学的課題
発表OHP(HTML形式)
(5)ディスカッション(指定討論者:中村)