Quantitative Psychology of Expression and Cognition
 
 

阪大感性情報心理学研究室>講座紹介>テーマ別紹介

感性情報心理学研究室 テーマ別紹介

【注】以下の分類(「系」)は大学・学部などが定める公式なものではなく、本研究室をより理解して頂くために個人が大まかな主観で作成・分類したものです。本研究室で研究を志す方は、スタッフ・設備などの条件をクリアした上で、新たなテーマ・「系」にチャレンジすることが可能です。

 なお、実験実習や演習などの時間では、各自のテーマとの関連性にかかわらず、主体的な発言・質問などが求められます。自らの研究テーマのみに視野を狭めるのではなく、スピーチ・演奏・CMなど様々な題材で議論を行うことによって、自分では気づかなかった新たな発見があることでしょう。

音声系 keyword:「対話」「スピーチ」「朗読」など

 自分の思いを伝える上で、「話し方」は「話の内容」と同じくらい重要なものと言われます。書店に行けば「上手なスピーチのコツ」的な本がたくさん並んでいます。また、最近ではコンピュータによる自動音声に接する機会も増えてきました。

 人間の話す音声には「話の内容(言語情報)」以外の様々な情報(非言語情報)が含まれています。人間の発する音声を様々な手法で分析し、実験による検証を行なうことで、私達の何気ない話し方の内に潜む傾向、法則を科学的・心理学的に探っていく研究領域です。


音楽系 keyword「音楽」「楽器演奏」など

 「音楽は国境を越えるコミュニケーションである」といわれるように、私達は音楽によって想いを表現し、感じ取ることができます。音そのものは音波であり、空気の振動でしかありません。しかし、そうした音と音が集まってできる音楽は人に深い感動を与える力を持ちます。また、ジャズやロックでどんなに正確に演奏できても、「ノリの悪い」演奏や「無感情で機械的な」演奏には魅せられないでしょう。

 こういった「音楽が人間の心理に及ぼす影響・関係性」について、音の物理分析や心理実験を通して計量的・科学的に研究する領域です。

 なお、実験・研究が中心の講座ですので、「音楽療法士になる」目的には不向きと思われます。音楽療法に関する書籍を読むか、あるいは個々の精神疾患に関する知識や臨床経験が得られる大学や専門学校で学ばれることをおすすめします。


映像系 keyword「映像と音楽の相互作用」、「音と映像の印象」など

 「テレビCMに流れる曲が何となく合ってなくて不自然に感じた」「ホラー映画で音を消してみると怖さが感じられなくなった」、など音と映像の組み合わせが人間の心理に深い影響をもたらすことはよく知られています。あるいはコンサートビデオ、ライブビデオでは演奏者の動き・表情などを見ることができ、CDで音楽だけを聞いた時にはなかった印象をうけることもあるでしょう。

 音と映像の持つ「印象」や「タイミング」、「動き」などを切り口として、ビデオ・DVDや映像編集ソフトによる「映像刺激」と「音刺激」を分析し、心理実験を行なうことで音・映像と人間の心理について研究する領域です。



基礎系 keyword「リズム認知」「音響」「精神テンポ」

 そもそも「音を聞く」とはどういうことでしょうか。人間は耳から入ってきた音をどう処理しているのでしょうか。耳で直接聞いた音とマイクで録音した音の違いに驚くことはよくあることでしょう。4拍子の曲を聞いて4拍子と分かるのはなぜでしょうか。では変拍子ではどうでしょう。

 人間の聴覚・時間知覚に関する基礎的な研究を行なう領域です。それだけに幅の広い領域ですので、興味のある方は講座訪問の時などに「この講座で研究可能なテーマなのか」を相談されることをおすすめします。



講座紹介のページへ戻る


文責 片岡